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大国主神話と阿波勝浦の紅大理石 ―― 石材・考古・民俗から読む「結びの象徴」――(電子本)

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大国主神話と阿波勝浦の紅大理石―― 石材・考古・民俗から読む「結びの象徴」――

序文(最短版)

大国主神は国づくりの神として知られるが、その神話と具体的な物質文化との関係は十分に検討されていない。

本書は「石」に注目し、とくに阿波勝浦に伝えられる紅大理石を手がかりとして、大国主神話と勾玉文化の接点を考察する。

阿波勝浦の紅大理石は、赤みを帯びた大理石質石材であり、現在ではほとんど採取されず、学術的整理も進んでいない。

一方、赤は生命や再生を象徴する色として、日本列島の石文化・祭祀・装身具、とりわけ勾玉と深く結びついてきた。

第1章 大国主神話研究の現状
大国主は「国譲り神話」の主役として語られる一方、
物質文化との関連は十分に検討されてこなかった。

第2章 神話における「石」の位置づけ
日本神話において石は、
境界・依代・永続性の象徴として機能する。

第3章 石を用いる神と用いない神
武器(剣・矛)を持たない大国主の特異性。

第4章 因幡の白兎神話の再検討
治癒・再生の物語としての白兎神話。

第5章 阿波地域の地質的概観
阿波は変成岩・石灰岩・蛇紋岩帯が混在する地域である。

第6章 勝浦町周辺の石材
勝浦川流域では、赤系石灰岩・大理石質石材が確認される。

第7章 阿波勝浦の紅大理石の石材的特徴
・石灰岩起源
・赤色の発色要因(鉄分)
・白色方解石脈の存在
装飾石材としての性質を有する。

第8章 日本列島における赤色石材
赤碧玉・赤チャート・丹生鉱床との比較。

第9章 「赤」という色の民俗的意味
赤は生命・血・再生・穢れ除けの象徴として用いられた。

第10章 勾玉の考古学的整理
縄文後期〜古墳時代にかけての形態変遷。

第11章 勾玉素材としての石材
翡翠以外に、碧玉・瑪瑙・石灰質石材が使用された事例。

第12章 阿波の勾玉文化
阿波は勾玉の「使用地」であり、
必ずしも産地石に限定されない文化圏であった。

第13章 紅大理石と勾玉の可能性
紅大理石は硬度・靱性の点で制約はあるが、
象徴的勾玉としての成立余地がある。

第14章 形としての「欠け」
勾玉の形状は、完全性ではなく「結び」を象徴する。

第15章 神話と物質文化の接点
神話は抽象的思想を、物質に仮託して伝える。

第16章 大国主神話の再解釈
国譲りとは支配権の移動ではなく、
象徴体系の転換であった可能性。

第17章 紅の石が語られなくなった理由
採石停止・近代化・学術分類の問題。

第18章 民俗に残る石の記憶
「赤い石」「縁起石」としての口承。

第19章 現代における再評価の意義
地域史・石文化・工芸の再接続。

第20章 結論
阿波勝浦の紅大理石は、
大国主神話と勾玉文化を媒介する
物質的象徴の一候補である。

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