『祈りは森から始まった ― 縄文と弥生が生んだ日本宗教の原点』
¥1,000
残り1点
International shipping available
『祈りは森から始まった ― 縄文と弥生が生んだ日本宗教の原点』
序文
日本人は「無宗教」と言われるが、山に手を合わせ、実りに感謝する姿は、
太古から続く祈りの名残である。
縄文の祈りは、願いではなく、自然とともに在るための調和だった。
森・土・水は、畏れと感謝の対象であった。
弥生の時代、稲作の広がりとともに、祈りは生を守る力へと変わり、祭祀は共同体を束ねる中心となる。
その境界に立つのが、卑弥呼に象徴されるシャーマン的存在である。
本書は、神話や国家が生まれる以前、日本人の心に沈む祈りの原型を辿る。
目次(20章)
第1章 宗教以前の祈り
文字も教義もない時代、人は何に祈ったのか。
第2章 縄文人の世界観
自然と人間を分けない生命一体の思想。
第3章 森・山・水の神聖性
聖地としての山、川、巨石。後の神社原型。
第4章 土偶に込められた祈り
再生・安産・治癒。女性原理と大地信仰。
第5章 死者と祖霊の存在
墓制と再葬に見る「死は終わりではない」という感覚。
第6章 縄文祭祀とシャーマン
祈りを媒介する者の誕生。宗教者の原型
。
第7章 時間観としての縄文
循環する時間と季節。終末思想の不在。
第8章 弥生革命 ― 祈りの転換点
稲作の開始が信仰を変えた。
第9章 稲作と神の誕生
収穫を左右する存在としての「神」。
第10章 水と穀霊信仰
水田・雨・太陽への祈り。農耕祭祀の確立。
第11章 首長と祭祀権力
祈りを独占する者が支配者となる構造。
第12章 銅鐸と音の宗教
鳴らすための祭器。音が神を招く思想。
第13章 弥生の死生観
副葬品と身分差。来世よりも現世安定。
第14章 縄文と弥生の断絶と融合
置き換わったのではなく、重なった信仰。
第15章 女性原理から男性原理へ
大地母神から天・太陽神への移行。
第16章 自然神から人格神へ
名を持つ神の出現と神話の準備段階。
第17章 祭りの変質
共同体の祈りから、統治の儀礼へ。
第18章 神道の原型はどこにあるか
制度ではなく感覚としての神道。
第19章 後世に残った縄文的要素
清め、穢れ、循環思想、アニミズム。
第20章 日本宗教の本質
教義ではなく「祈りの風景」が宗教であった。
まとめ
日本の宗教は、縄文の「自然と一体の祈り」と弥生の「生を維持する祈り」
この二層構造の上に築かれている。神社も仏教も、その深層には縄文と弥生の祈りの記憶が今も息づいている。
