阿波文字の秘密と謎――書かれなかった言語文明の深層――
¥1,000
残り1点
International shipping available
阿波文字の秘密と謎――書かれなかった言語文明の深層――
序文
日本の文字史は、漢字の伝来から始まるとされてきた。しかし阿波には、文字を持たなかったのではなく、書くことを選ばなかった文明があった。
本書は、「阿波文字」と呼ばれてきた沈黙の言語文化の秘密と謎を、20章にわたって解き明かす試みである。
目次(20章)
第一章 阿波文字とは何か
阿波文字という言葉の定義と、その曖昧さが生まれた理由。
第二章 文字以前に完成していた言語世界
縄文的日本における、語り・歌・祈りの完成度。
第三章 阿波という土地の特異性
山・川・海が交わる地形が育んだ非文字文化。
第四章 言葉は「書くもの」ではなかった
阿波における言語観と、固定を嫌う思想。
第五章 記憶による知の保存技術
文字を使わない高度な情報継承の仕組み。
第六章 身体が語る言語
舞・所作・配置に刻まれた意味の体系。
第七章 阿波に残る「しるし」と文様
文字ではないが、意味を持つ象徴の正体。
第八章 配置が生む無言の文法
神社・磐座・結界に見る構造的思考。
第九章 祭祀と言語の不可分性
言葉が宗教行為そのものであった世界。
第十章 祝詞はなぜ書かれなかったのか
神聖性と可変性を守るための沈黙。
第十一章 忌部氏と阿波
祭祀を担った氏族が管理した非文字言語。
第十二章 阿波文字と神代文字思想
神代文字・ヲシテ文字との重なりと違い。
第十三章 ヲシテ文字は文字なのか
実用文字ではなく「構造図」としての役割。
第十四章 音霊と数理の世界観
音・数・循環が統合された阿波的秩序。
第十五章 漢字伝来という衝撃
外来文字がもたらした利便と違和感。
第十六章 阿波が全面的に文字化しなかった理由
受容と拒絶のあいだで選ばれた道。
第十七章 権力の文字と祭祀の非文字
政治と信仰に分かれた言語の役割。
第十八章 剣山信仰圏と言語の守護
山岳信仰が非文字文化を守った理由。
第十九章 阿波文字は消されたのか
忘却・排除・沈黙という三つの可能性。
第二十章 阿波文字は今も生きている
土地・祭り・言葉の響きに残る記憶。
