阿波の天皇の歴史――始まりの国に宿る王権の源流
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阿波の天皇の歴史――始まりの国に宿る王権の源流
序文
日本の天皇の歴史は、ヤマトから始まったと語られてきた。しかし、その前に「王が王である理由」を育んだ土地があった。
山と水と海に抱かれ、祈りと統治がまだ分かれていなかった時代。阿波は、王権がかたちを持つ以前の記憶を、静かに宿している。
本書は、記された歴史の外側に残された痕跡を手がかりに、「天皇的なるもの」が生まれる以前の姿を探る試みである。
本書は、記された歴史の外側に残された痕跡を手がかりに、「天皇的なるもの」が生まれる以前の姿を探る試みである。
始まりの国・阿波から、もう一度、日本の王の歴史を見つめ直したい。
目次(20章)
第1章 阿波という地名が語る古層
「アワ」という音に宿る古代語義と、穀霊・循環・中心性の思想。
第2章 王が生まれる条件――水・山・海
清流、剣山系、紀伊水道。三位一体の地理が王権を育てた理由。
第3章 神と王の未分化時代
シャーマン=王の時代。祭祀が政治であり、言霊が統治だった。
第4章 阿波の祭祀ネットワーク
点在する古社・磐座・祭場が結ぶ広域信仰圏。
第5章 勾玉と王権――装身具から統治象徴へ
阿波の石文化が「身にまとう権威」を生んだ過程。
第6章 古墳は誰のために築かれたのか
規模と配置が示す、地方王権の実在と系譜。
第7章 海を制する者は国を制す
阿波の海民と物流網がもたらした政治的優位。
第8章 「王(きみ)」から「大王」へ
首長連合の中心に立つ存在としての阿波の王。
第9章 言葉が天命を生む
祝詞・歌・口誦が権威を正当化する仕組み。
第10章 阿波と畿内の接点
婚姻・祭祀・物資を通じた権力移行の痕跡。
第11章 東遷・西遷という物語
王権移動神話の背後にある政治的現実。
第12章 「天」の観念はどこで生まれたか
天意・天命思想の形成と阿波の天体祭祀。
第13章 天皇号成立前夜
称号が定まる以前の「天皇的存在」の実像。
第14章 記紀編纂が覆い隠したもの
中央史観が周縁を沈黙させた理由。
第15章 失われた系譜を読む方法
考古・地名・祭礼から復元する非公式史。
第16章 阿波に残る“王の影”
地元伝承に息づく、名なき王たちの記憶。
第17章 天皇制の原型としての阿波モデル
祭祀国家・循環国家という別の日本像。
第18章 なぜ阿波は語られなくなったのか
政治統合と歴史の取捨選択。
第19章 現代に甦る阿波の王権思想
地域文化・精神性としての継承。
終章 始まりの国から、もう一度
阿波から日本史を読み替える意義と未来。
