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知られざる阿波一族 稲持族 ― 稲と勾玉と神を司った古層の人びと ―

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知られざる阿波一族 稲持族 ― 稲と勾玉と神を司った古層の人びと ―

序文

阿波の歴史の底には、名を刻まれぬまま消えた人びとの層がある。王でも豪族でもなく、武を誇ることもなかった。しかし彼らは、稲を育て、勾玉を捧げ、神と人とを結ぶ役目を担っていた。

本書は、そのような存在として想定される「稲持族」を、地名、祭祀、民俗、考古の断片から静かに浮かび上がらせる試みである。

稲と勾玉と神が分かたれていなかった時代、その中心に立っていた古層の人びとの姿を、阿波の大地から読み解いていく。

目次(20章)

第一章 阿波に潜む名を持たぬ一族
史書に現れない人びとの存在と、その必然性。

第二章 稲持という名が示す思想
稲を所有するのではなく、司るという在り方。

第三章 稲作以前の阿波
狩猟採集と農耕が交差した土地。

第四章 稲の誕生と神の領域
稲が人のものではなかった時代。

第五章 祭祀と生活が一つであった社会
労働と祈りの未分化な構造。

第六章 神饌と初穂の意味
捧げる稲、返される命。

第七章 地名に残された稲持の痕跡
田、稲、饌に関わる古層地名。

第八章 忌部氏以前の祭祀層
後代氏族を支えた基層の存在。

第九章 出雲神話より古い農耕信仰
物語以前の神のかたち。

第十章 女神と稲
生産と再生を司る力。

第十一章 水を守る者たち
泉、川、湧水と稲持族。

第十二章 勾玉の原初的意味
権威ではなく祈りの象徴。

第十三章 稲と勾玉を結ぶ祭祀構造
農耕と霊性の接点。

第十四章 王にならなかった一族
支配ではなく維持を選んだ人びと。

第十五章 卑弥呼以前の神事担当者像
呪術王権成立前夜の姿。

第十六章 文字に記されなかった理由
中央史観と消去の論理。

第十七章 神社へ姿を変えた稲持族
氏族名を失った祭祀集団。

第十八章 民俗行事に残る稲と神
田植え、収穫、禁忌の記憶。

第十九章 稲持族はどこへ消えたのか
吸収、同化、神格化の道筋。

第二十章 稲と勾玉と神から見た日本古代史
支配の歴史の背後にある、支えの歴史。

終章
稲は命を育て、勾玉は祈りを形にし、神は自然そのものであった。

稲持族とは、この三つを分けずに生きた人びとの総称である。

名を失っても、阿波の大地と祭祀の中に、彼らの気配は今も静かに息づいている。

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