阿波倭国論 ― 邪馬台国以前の倭の原型 ―
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阿波倭国論 ― 邪馬台国以前の倭の原型 ―
序文
邪馬台国は、史書に名を残す最初の国である。しかし、名が与えられる以前にも、列島には確かな秩序と共同体が存在していた。
阿波の地に想定される阿波倭国は、その名づけ以前の層に属する存在である。
そこには王を中心とした国家はなく、山と水と人、そして祈りが分かたれぬまま重なっていた。本書は、阿波という土地に残る静かな痕跡から、邪馬台国以前の「倭の原型」を描き出す試みである。
目次(20章)
第1章 邪馬台国以前という時間
歴史に記されぬ時代にも、秩序ある営みは続いていた。
第2章 阿波という始原の地
阿波は、古い共同体が生まれやすい条件を備えた土地であった。
第3章 剣山系と神の座
山は信仰の対象であり、精神的中心であった。
第4章 清流が育てた定住
水の循環が人を留め、里を結んだ。
第5章 石器に残る祈り
道具には、自然と向き合う思想が刻まれている。
第6章 縄文から弥生への連続
文化は断たれず、重なり合いながら移ろった。
第7章 農耕と祭祀の結合
耕すことと祈ることは分かれていなかった。
第8章 王なき統合
権力ではなく、合意と儀礼が社会を支えた。
第9章 武力を用いない国
調和を優先する秩序が存在していた。
第10章 山・川・海の三位一体
自然環境そのものが国の骨格であった。
第11章 言葉以前の伝達
声と所作が意味を担っていた時代である。
第12章 地名に沈む記憶
地名は、失われた秩序の名残である。
第13章 巨石と結界
石は場を定め、世界を区切る役割を持った。
第14章 阿波倭国という仮称
この名は後代の便宜であり、実体は名以前にあった。
第15章 列島再編の始まり
交流の拡大とともに、力の重心は移動した。
第16章 消されたのではなく沈んだ
阿波倭国は、語られなくなっただけである。
第17章 神話に回収されなかった記憶
整理されなかった古層が、阿波には残った。
第18章 邪馬台国との断層
政治国家と精神共同体の違いがここにある。
第19章 倭という精神
支配ではなく共存としての「倭」の姿。
第20章 阿波に残る始まりの国
名を失っても、阿波倭国は土地の深層で生き続けている。
