卑弥呼はなぜ翡翠の勾玉を用いたのか ―鬼道の呪具・御倉玉に隠された神話と国家呪術―
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卑弥呼はなぜ翡翠の勾玉を用いたのか ―鬼道の呪具・御倉玉に隠された神話と国家呪術―
序文(立ち読み用)
卑弥呼は、なぜ翡翠の勾玉を手にしたのか。それは美しさのためでも、権威を誇るためでもなかった。
翡翠の勾玉は、卑弥呼にとって「呪術そのもの」だった。言葉では届かない神意を、この世に顕すための器。鬼道とは、占いではなく、世界を動かすための技法である。
日本神話に語られるイザナギの御倉玉。神から授けられたその玉は、魂と統治の正統性を象徴する。
もし卑弥呼の勾玉が、この神話思想の継承であったなら、彼女の呪術は国家を支える「見える力」だったことになる。
本書は、翡翠の勾玉を単なる遺物として扱わない。それを、神話と現実を結ぶ呪具として読み解く。
目次(20章)
第1章
卑弥呼とは何者だったのか
魏志倭人伝に描かれた「鬼道の女王」の実像。
第2章
鬼道とは何か
占いではなく「国家を統べる呪術」としての鬼道。
第3章
呪術における「物」の意味
言葉ではなく、なぜ呪具が必要だったのか。
第4章
勾玉という形の起源
胎児・魂・循環を象徴する未完成の曲線。
第5章
なぜ石の中でも翡翠だったのか
硬さ・光・生命性を宿す特異な石。
第6章
翡翠は「生きた石」だった
霊を宿す器としての翡翠観。
第7章
日本列島における翡翠信仰の始まり
縄文から続く特別な石の系譜。
第8章
勾玉は装身具ではない
呪術具・媒介具としての本質。
第9章
卑弥呼の勾玉は誰のものだったのか
個人所有か、王権の象徴か。
第10章
イザナギと御倉玉の神話
神から授けられた「魂の玉」の正体。
第11章
御倉玉とは何を意味するのか
神意・正統性・統治権の象徴。
第12章
神話の玉と現実の勾玉
物語が呪術として現実化する瞬間。
第13章
卑弥呼は御倉玉の継承者だったのか
神話的正統性を帯びた女王像。
第14章
勾玉による「見える呪術」
信じさせる力としての視覚的呪具。
第15章
翡翠の産地と権力
入手困難な石が持つ政治的意味。
第16章
勾玉が示す支配の正当化
武力ではなく呪術で国を治める仕組み。
第17章
卑弥呼亡き後の勾玉
なぜ勾玉は王権の象徴として残ったのか。
第18章
三種の神器と「玉」の思想
御倉玉は神器思想の原型だった。
第19章
翡翠勾玉が語る日本的統治
祈り・呪術・政治が分離しなかった社会。
第20章
卑弥呼はなぜ翡翠の勾玉を用いたのか
神話を現実に作用させるための呪具としての結論。
