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『王を作らなかった国・阿波―― 支配なき始まりの記憶 ――』(電子本)

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『王を作らなかった国・阿波―― 支配なき始まりの記憶 ――』

序文(立ち読み用)

日本神話は、王が生まれ、国が譲られ、支配が始まる物語として語られてきた。だが、その物語が始まる以前に、別の流れがあった可能性はないだろうか。

阿波には、王を立てず、国を譲る必要もなかった土地の記憶が残っている。それは「遅れていた国」ではなく、支配という形を選ばなかった国の姿である。

本書が見つめるのは、国譲り神話の背後に隠された、もう一つの源流――阿波出雲という静かな系譜だ。

征服でも統合でもなく、生活と祈りがそのまま国の形であった時代。語られなかったその選択に、いま私たちは何を読み取るのか。

目次(20章構成)

第1章
日本神話が語らなかった国がある
― 記紀の外側に残された沈黙 ―

第2章
阿波は「国」であって「王国」ではなかった
― 統治と生活の分離 ―

第3章
王を持たない社会は存在できたのか
― 世界史から見る例外的共同体 ―

第4章
阿波に残る「支配不在」の痕跡
― 古墳・神社・地名が語るもの ―

第5章
忌部・稲持・海部という役割の民
― 王ではなく機能が国を支えた ―

第6章
勾玉・翡翠・祭祀の経済
― 富は集めず、循環させた ―

第7章
なぜ阿波は軍事国家にならなかったのか
― 防御よりも調和を選んだ理由 ―

第8章
「治める神」が現れなかった土地
― 天照・大国主以前の神観念 ―

第9章
王を立てなかったという“選択”
― 未熟だったのか、進んでいたのか ―

第10章
卑弥呼はなぜ「外」に書かれたのか
― 書かれた王と、書かれなかった国 ―

第11章(確定案)
阿波出雲
― 国譲り以前に存在した、もう一つの出雲 ―

第12章
支配を拒んだ文化は消されたのか
― なぜ阿波文脈は残らなかったか ―

第13章
記紀編纂という「王の物語」
― 歴史は誰のために書かれたのか ―

第14章
阿波に天皇が生まれなかった理由
― 血統よりも場を重んじた社会 ―

第15章
王のいない国は「弱い国」なのか
― 現代国家との比較 ―

第16章
阿波が守った“始まりの型”
― 分かつ前の日本 ―

第17章
もし阿波が王を持っていたら
― 失われていたかもしれないもの ―

第18章
王を作らない思想はどこへ行ったか
― 山・民間・信仰への潜行 ―

第19章
阿波は滅びたのではなく、隠れた
― 支配を拒んだ国のその後 ―

第20章
王を作らなかった国が、今に問うもの
― 支配の時代の終わりに ―

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