『竹取物語 阿波神話説 ― 書かれなかった始まりの国の記憶 ―』(電子本)
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『竹取物語 阿波神話説 ― 書かれなかった始まりの国の記憶 ―』(電子本)
立ち読み用(序文)
**竹取物語**は、日本最古の物語とされながら、その舞台を明確に語らない。だが本当に、それは場所を持たない物語だったのだろうか。
竹から生まれ、山に還り、海の向こうの天へ帰るかぐや姫。この構図は、王権や都の論理よりも、自然と共に循環する生を重んじる世界観を映し出している。
王を作らず、支配を広げなかった土地――阿波。その風土と信仰は、竹取物語に描かれた感覚と静かに重なり合う。
本書は、竹取物語を文学としてではなく、神話の記憶が物語へと姿を変えた痕跡として読み直す試みである。
なぜ神話は物語になったのか。なぜ、かぐや姫は地上に留まらなかったのか。その問いの先に、始まりの国・阿波の記憶が浮かび上がってくる。
目次(全20章構成)
第1章 竹取物語は神話なのか
物語に隠れた神話構造を確認する。
第2章 舞台なき物語という不自然さ
場所が語られない意味を考える。
第3章 竹・山・海がそろう条件
成立に必要な自然要素を整理する。
第4章 阿波という始まりの国
古代阿波の特異な位置づけ。
第5章 王を持たぬ社会
支配不在の構造が生む価値観。
第6章 竹取の翁と媼
名も地位も持たぬ存在の象徴性。
第7章 かぐや姫という境界存在
人と神のあいだに立つ意味。
第8章 女性神性と祭祀
阿波に残る女性中心信仰との連関。
第9章 求婚譚の拒否構図
結ばれない物語が示す思想。
第10章 五つの難題
不可能性に込められた象徴。
第11章 天皇の登場
国家が介入する必然。
第12章 不老不死という異物
阿波的世界観との齟齬。
第13章 薬が焼かれた理由
拒否の行為が示す選択。
第14章 山の意味
天と地を結ぶ場の象徴。
第15章 海の向こうの天
天上世界の位置づけ。
第16章 なぜ書けなかったのか
正史に残らぬ理由。
第17章 神話から物語へ
説話化という保存方法。
第18章 変えられた記憶
消えずに残るための変形。
第19章 今に残った理由
都文学としての生存。
第20章 阿波へ還る
物語の源流を静かに結ぶ。
