『出雲名の虚像 ― 神話に隠されたもう一つの歴史 ―』(電子本)
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『出雲名の虚像 ― 神話に隠されたもう一つの歴史 ―』(電子本)
序文(立ち読み用)
出雲は、日本神話の中心に位置する名である。
だが、その「出雲」という言葉は、本当に現在の島根の地だけを指していたのだろうか。
神話は、常に政治と結びついてきた。名は移動し、物語は再編集され、勝者の側に地名は固定される。
本書は、「出雲」という名がどのように形成され、どのように固定され、どのように神話化されたのかを問い直す試みである。
それは否定ではない。むしろ、名の奥にある“揺らぎ”を見つめることで、日本古層の精神に近づく旅である。
目次(全25章構成)
第1章 出雲という名はいつ固定されたのか
古代文献に現れる「出雲」の表記と変遷を探る。
第2章 『古事記』の出雲像
神話に描かれた出雲の役割と構造。
第3章 『日本書紀』の再編集
政治的意図と神話再構成の可能性。
第4章 大国主命はなぜ出雲の神になったのか
神格の地域固定化の問題。
第5章 国譲り神話の構造
「譲る」という物語の政治的意味。
第6章 出雲大社は最初から中心だったのか
出雲大社成立史の再検討。
第7章 出雲と阿波の地名類似
地名移動の痕跡を探る。
第8章 「出ずる雲」という語源の幻想
語源解釈の後付け構造。
第9章 古代豪族と出雲
出雲臣の実像。
第10章 神在月という演出
宗教的時間の政治利用。
第11章 出雲市以前の出雲
地理的範囲の変化。
第12章 出雲とヤマト王権
勢力統合の物語。
第13章 出雲風土記の語る世界
出雲国風土記の位置づけ。
第14章 「裏日本」という近代概念
近代国家による再定義。
第15章 出雲神話の再発見ブーム
明治以降の神道国家政策。
第16章 出雲と海上交易
日本海文化圏の視点。
第17章 勾玉文化と出雲
玉作部との関係。
第18章 出雲の鉄とたたら
製鉄文化の影響。
第19章 神話の地理的転写
物語はどこから来たのか。
第20章 名を奪うとは何か
歴史の再編集装置。
第21章 出雲とスサノオ
スサノオ神話の再配置。
第22章 出雲と大和の精神構造
支配と譲渡の象徴。
第23章 出雲の虚像は誰が作ったのか
中央集権と神話。
第24章 名は移動する
地名と神名の移植構造。
第25章 本当の出雲とは何か
虚像を越えた古層への視線。
