『徳島の銅山と銀の可能性 ― 阿波に眠る金属資源を探る ―』(電子本)
¥1,500
残り1点
International shipping available
『徳島の銅山と銀の可能性 ― 阿波に眠る金属資源を探る ―』(電子本)
■ 序文(立ち読み用)
徳島の山々には、かつて銅を掘った記憶が静かに眠っている。勝浦川、那賀川、そして山間部に点在する旧銅山跡は、阿波の大地に確かに熱水活動が存在したことを物語っている。
銅が生成されたという事実は、単なる一金属の歴史にとどまらない。それは同時に、銀や金など他の金属が共存していた可能性を示唆する重要な地質証拠でもある。
本書は、徳島に大規模な銀山が存在したという断定を行うものではない。むしろ、銅鉱床に伴う副産物としての銀の可能性を、地質学的視点、歴史資料、そして現地観察の三方向から冷静に検証する試みである。
石英脈、硫化鉱、重砂層――それらを読み解くことで、これまで語られてこなかった阿波金属史の輪郭が浮かび上がる。
さらに本書は、学術的探究にとどまらず、地域資源としての再評価にも踏み込む。もし銅山の副産物として銀が存在したならば、それは観光や教育資源として新たな価値を持ち得るのではないか。
阿波は「始まりの国」とも呼ばれる。その大地に眠る金属の記憶は、単なる資源ではなく、未来への可能性そのものである。
本書がその静かな光を照らす一助となれば幸いである。
■目次:20章構成一覧
第1章 徳島における銅山の歴史概観
県内の主要銅山跡と採掘の歴史。
第2章 銅鉱床の成因と熱水活動
金属鉱脈が形成される仕組み。
第3章 銅と銀の共存関係
副産物としての銀の地質学的可能性。
第4章 石英脈が示す金属の通り道
石英と金属沈殿の関係。
第5章 硫化鉱物の観察
黄銅鉱・方鉛鉱などの特徴。
第6章 銀はなぜ見えにくいのか
微量元素としての存在。
第7章 勝浦川流域の鉱物環境
具体地域の地質考察。
第8章 那賀川流域の鉱床条件
山地構造と金属生成。
第9章 鮎喰川周辺の地質特性
変成岩帯の特徴。
第10章 三波川帯の金属ポテンシャル
広域地質構造の分析。
第11章 歴史資料に見る阿波金属史
文献からの検証。
第12章 銀山が存在しなかった理由
経済性と地質条件。
第13章 精錬技術と副産物回収
銀が回収される仕組み。
第14章 川原に現れる重鉱物層
黒砂と比重の話。
第15章 微粒金との比較検証
金と銀の挙動差。
第16章 銀を科学的に分析する方法
試料採取と成分分析。
第17章 阿波神話と金属象徴
金と銀の文化的意味。
第18章 観光資源としての再構築
体験型地質観光の可能性。
第19章 地域経済と鉱物教育
地方創生への応用。
第20章 阿波の大地が示す未来
研究と観光の融合モデル。
