『相撲の起源と阿波 ― 野見宿禰と祭祀国家の謎 ―』(電子本)
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『相撲の起源と阿波 ― 野見宿禰と祭祀国家の謎 ―』(電子本)
序文(立ち読み用)
日本の国技とされる相撲は、単なる格闘技ではない。土俵は神の座であり、四股は大地を鎮める祈りであり、塩は穢れを祓う神聖な行為である。つまり相撲とは、古代から続く神事の一つなのである。
相撲の起源として一般に知られているのは、『日本書紀』に記された野見宿禰と当麻蹶速の戦いである。
垂仁天皇の御前で行われたこの力比べは、日本最古の相撲とされている。しかし、この出来事は突然生まれたものではない。その背後には、さらに古い祭祀文化が存在していたと考えられる。
その重要な鍵を握る地域が、阿波である。古代阿波は、祭祀氏族である忌部氏の本拠地であり、日本の祭祀文化の中心地の一つであった。
忌部氏は神衣を織り、勾玉を作り、神事を司り、国家の祭祀を支える役割を担っていた。神に捧げる競技や力比べも、こうした祭祀文化の中から生まれた可能性がある。
また、野見宿禰は埴輪制度を作った人物とも伝えられ、その子孫は土師氏となった。土師氏もまた葬祭や祭祀を担当する氏族であり、忌部氏と同じ祭祀系統に属している。
この事実は、相撲の起源が単なる格闘ではなく、古代の宗教儀式の中にあったことを示している。
本書では、野見宿禰の伝説を出発点とし、相撲の神事としての意味、忌部氏の祭祀文化、そして阿波との関係を探っていく。
相撲の起源を阿波という視点から読み解くと、日本文化の知られざる姿が浮かび上がってくるのである。
目次:章構成(20章)
第1章 相撲とは何か
相撲の本質と日本文化における意味。
第2章 日本書紀に記された最古の相撲
野見宿禰と当麻蹶速の戦い。
第3章 野見宿禰という人物
相撲の祖とされる人物の伝説。
第4章 当麻蹶速の正体
古代最強とされた力士。
第5章 垂仁天皇の時代
古代王権と力比べの関係。
第6章 古代日本の力比べ文化
祭祀として行われた格闘競技。
第7章 神事としての相撲
神に奉納される競技の意味。
第8章 土俵という神域
土俵の構造と宗教的意味。
第9章 四股の呪術的意味
大地を鎮める儀式としての動作。
第10章 塩と清めの思想
相撲に残る古代の浄化儀礼。
第11章 忌部氏の登場
古代祭祀を担った氏族。
第12章 阿波は祭祀の国だった
忌部氏の本拠地としての阿波。
第13章 阿波の勾玉文化
玉作りと神祭祀の関係。
第14章 阿波の古代祭祀
神に捧げる儀式文化。
第15章 相撲と祭祀競技
力比べが神事となった理由。
第16章 宮廷相撲の誕生
奈良時代の相撲節会。
第17章 相撲と国家祭祀
天皇と相撲の関係。
第18章 武士の時代の相撲
武芸としての発展。
第19章 相撲に残る古代祭祀
現代相撲に残る神事の形。
第20章 阿波から見た相撲の起源
祭祀国家としての阿波と日本文化の原点。
