『鬼道 ― 卑弥呼が操った見えざる力 ―』(電子本)
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『鬼道 ― 卑弥呼が操った見えざる力 ―』(電子本)
序文(立ち読み用)
卑弥呼という名は、日本古代史の中でもひときわ神秘に包まれている。魏志倭人伝には「鬼道に事え、よく衆を惑わす」と記され、彼女が単なる王ではなく、目に見えぬ力を通して人々を導いた存在であったことがうかがえる。
では、その鬼道とは何であったのか。呪術なのか、祭祀なのか、あるいは神と人との間に立つ巫女王だけが持ちえた統治の術だったのか。
本書は、卑弥呼を伝説の霧の中に閉じ込めるのではなく、古代社会の現実の中に置き、その力の本質を見つめ直そうとする一冊である。
争いの絶えない時代に、人々はなぜ一人の女王を必要としたのか。その背景には、武力では治めきれない時代において、祈りと神意こそが国をまとめる力になるという感覚があったのかもしれない。
鬼道とは迷信ではなく、日本の始まりに横たわる精神文化の原型であった可能性がある。
本書では卑弥呼の姿を通して、信仰と政治がまだ分かれていなかった古代日本の深層に静かに迫っていく。
目次:20章構成
第1章 卑弥呼とは何者か
魏志倭人伝の記述をもとに、卑弥呼の人物像と歴史的立場を整理する。
第2章 鬼道という言葉の意味
「鬼道」とは何を指したのか、言葉の背景と当時の認識を読み解く。
第3章 なぜ人々は卑弥呼を選んだのか
戦乱の時代に、なぜ一人の女王が必要とされたのかを探る。
第4章 卑弥呼と巫女王の系譜
卑弥呼を祭祀者として捉え、巫女王という存在の意味を考える。
第5章 鬼道と祈りの儀式
祈祷、祭具、儀礼空間などから鬼道の実態を想像する。
第6章 神託と王権の結びつき
神の言葉を伝える力が、どのように支配の根拠になったのかを見る。
第7章 卑弥呼は何を見ていたのか
卑弥呼の信仰世界と、彼女が向き合った神々の観念を考察する。
第8章 邪馬台国を支えた精神文化
鬼道を支えた社会の信仰構造と、人々の世界観を描く。
第9章 男王ではなく女王であった理由
卑弥呼が選ばれた背景にある社会的、宗教的意味を探る。
第10章 卑弥呼の沈黙と弟の役割
表に立たない卑弥呼と、実務を担った弟の関係を読み解く。
第11章 鬼道は統治の技術だったのか
鬼道を信仰だけでなく、政治の方法として見直してみる。
第12章 人心を束ねる見えざる力
武力ではなく祈りによって国をまとめた可能性を考える。
第13章 卑弥呼と鏡の象徴性
鏡に込められた意味から、卑弥呼の祭祀権威の本質を探る。
第14章 鬼道と死者の世界
霊魂観や祖霊信仰との関わりから鬼道の深層を見つめる。
第15章 卑弥呼の宮殿と祭祀空間
卑弥呼がいた場がどのような聖域であったのかを考察する。
第16章 中国は卑弥呼をどう見たか
外部から見た卑弥呼像を通して、その特異性を浮かび上がらせる。
第17章 卑弥呼の死と国の動揺
卑弥呼の死後に起きた混乱から、彼女の存在の重みを知る。
第18章 鬼道は神道へつながるか
卑弥呼の祭祀と後世の神道的感覚との連続性を探る。
第19章 日本神話の中の卑弥呼的存在
神話に見える巫女性や女神性と卑弥呼との接点を考える。
第20章 卑弥呼の鬼道が現代に語るもの
卑弥呼の存在が、今の日本人に何を問いかけているのかをまとめる。
