阿波出身の国学者・池辺真榛の死の謎 ―― 幽閉、赤痢、そして消された阿波古代史の影 ――(電子本)
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阿波出身の国学者・池辺真榛の死の謎 ―― 幽閉、赤痢、そして消された阿波古代史の影 ――(電子本)
序文(立ち読み用)
幕末の阿波に、池辺真榛という若き国学者がいた。天保元年に生まれ、わずか三十四歳で世を去った人物である。
大坂で国学を学び、本居内遠にも師事したとされ、『古語拾遺新註』などの著作を残した真榛は、阿波の古代史、日本の源流、神代の記憶に深く迫ろうとした学者であった。
徳島県立文書館にも、真榛の書簡・短冊や主著『古語拾遺新註』の手書き原稿など、関係資料が残されている。
しかし、その最期は静かな学者の死とは言い切れない。藩政を非難した罪で幽閉され、赤痢によって若くして亡くなったと伝えられる一方、その死には不審な影があるとも語られてきた。
本書は、池辺真榛の生涯、学問、阿波へのまなざし、そして死の謎をたどりながら、幕末の阿波で何が封じられようとしていたのかを探る一冊である。
第1章 池辺真榛とは何者か
阿波が生んだ幕末国学者の生涯をたどる。
第2章 阿波に生まれた若き学者
真榛が育った時代と徳島藩の空気を読む。
第3章 国学という思想の力
古事記・祝詞・古語研究が持った意味を解説する。
第4章 本居学への接近
本居宣長の流れを受けた学問的背景を探る。
第5章 大坂で磨かれた知性
萩原広道らとの関係から学問形成を見る。
第6章 『古語拾遺新註』の意味
真榛の代表的著作が何を語ろうとしたのかを考える。
第7章 阿波と古代日本の接点
真榛が阿波に見た古代史の深層を読み解く。
第8章 延喜式研究と阿波
神社・式内社・古代祭祀から阿波の重要性を探る。
第9章 阿波は始まりの国だったのか
真榛の学問が触れた可能性を物語として広げる。
第10章 幕末という危険な時代
尊王攘夷、藩政、思想統制の時代背景を整理する。
第11章 学問はなぜ危険視されたのか
古代史研究が政治と結びつく怖さを描く。
第12章 藩政批判という罪
真榛が幽閉されるに至った理由を検討する。
第13章 幽閉された国学者
自由を奪われた真榛の晩年を追う。
第14章 赤痢による死という記録
公式に伝わる死因を冷静に確認する。
第15章 不審死説の影
なぜ毒殺説や他殺説が語られるようになったのかを考える。
第16章 消された阿波古代史の記憶
真榛の死と阿波古代史封印説をつなぐ。
第17章 阿波風土記と失われた資料
幻の文献や消えた記録への関心を整理する。
第18章 池辺真榛を顕彰する人々
現代に残る顕彰活動と墓前祭の意味を見る。
第19章 真榛が現代に問いかけるもの
阿波の歴史を誰が語るのかという問題に迫る。
第20章 死の謎の先にある阿波の真実
池辺真榛の短い生涯を、始まりの国・阿波の物語として結ぶ。
