小杉榲邨と阿波古風土記交渉の謎 ――消えた阿波国風土記編纂事業と、古代阿波史の封印――(電子本)
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小杉榲邨と阿波古風土記交渉の謎 ――消えた阿波国風土記編纂事業と、古代阿波史の封印――(電子本)
■序文(立ち読み用)
阿波出身の国学者・小杉榲邨は、明治という激動の時代に、阿波の古代史を掘り起こそうとした人物である。
徳島県立博物館の解説でも、小杉榲邨は阿波出身の国学者で、1834年に生まれ1910年に没した人物とされている。
その名が特に重く響くのは、明治初年に進められた「阿波国風土記編輯御用掛」との関係である。
明治二年、徳島藩のもとで小杉榲邨らを中心に阿波の歴史と地誌を編纂する大規模な事業が企てられたが、廃藩置県の流れの中で中止されたと伝えられる。
では、なぜ阿波の古風土記は完成しなかったのか。
そこには単なる行政上の中断だけでなく、阿波に眠る古代信仰、地名、神社、豪族、そして日本神話の原風景をめぐる深い謎が横たわっている。
本書は、小杉榲邨という一人の国学者を入口に、失われた阿波古風土記の影を追い、阿波が古代日本史の中で果たした役割を読み解く一冊である。
第1章 小杉榲邨とは何者か
阿波に生まれ、国学と古典研究に生涯を捧げた人物像をたどる。
第2章 阿波出身国学者の時代
幕末から明治へ、地方の知識人たちが古代史を見直した背景を読む。
第3章 「阿波古風土記交渉」とは何か
失われた阿波の古記録をめぐる調査、編纂、交渉の謎に迫る。
第4章 阿波国風土記編輯御用掛の設置
明治二年、徳島藩のもとで始まった阿波史編纂事業を検証する。
第5章 なぜ阿波の風土記は必要だったのか
地名、神社、伝承を整理し、阿波の正史を作ろうとした意図を考える。
第6章 廃藩置県と編纂中止の謎
なぜ大事業は完成目前で止まったのか。時代の転換点を読む。
第7章 消えた原稿と残された断片
未完に終わった資料の行方と、後世に残った痕跡を追う。
第8章 阿波の地名に眠る古代史
国府、郡名、郷名、神名地名から阿波古代の姿を探る。
第9章 神社伝承と風土記の接点
阿波の古社に残る祭神・由緒・伝承を風土記的視点で読む。
第10章 阿波と日本神話の深層
天岩戸、国生み、出雲神話との関係から阿波の位置を考える。
第11章 小杉榲邨が見た阿波の古代
国学者の目に、阿波はどのような土地として映っていたのか。
第12章 失われた阿波国風土記の可能性
もし完成していれば、何が記録されていたのかを推理する。
第13章 古代豪族と阿波の記憶
忌部氏、海部氏、在地豪族の記録から阿波の力を読み解く。
第14章 阿波の祭祀と王権の影
神を祀る土地としての阿波と、古代王権との関係を探る。
第15章 明治政府と地方史編纂
近代国家が地方の歴史をどう扱ったのかを考える。
第16章 阿波史はなぜ埋もれたのか
中央史観の中で薄められた阿波の古代的価値を見直す。
第17章 小杉榲邨資料を読む意味
残された記録を手がかりに、未完の阿波史を再構成する。
第18章 阿波古風土記が示す始まりの国
阿波を「始まりの国」として読み解く視点を提示する。
第19章 現代に甦る小杉榲邨の問い
なぜ今、阿波の古代史を見直す必要があるのかを語る。
第20章 未完の風土記を未来へつなぐ
小杉榲邨が果たせなかった仕事を、現代の研究と出版へ継承する。
