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『翡翠原石から阿波の古代史を語る』 ― 鮎喰川に眠る緑の石がひらく、始まりの国の記憶 ―(電子書籍)

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『翡翠原石から阿波の古代史を語る』 ― 鮎喰川に眠る緑の石がひらく、始まりの国の記憶 ―(電子書籍)

■序文(立ち読み用)

阿波の川原に転がる一つの翡翠原石。それは、ただの美しい石ではない。光を受けると淡く緑を宿し、手に取れば冷たく、磨けば深い艶を見せる。

その石は、遠い古代に人々が神へ捧げ、王の権威を示し、祈りの道具として大切に扱ってきた「玉」の原点でもある。

阿波には、鮎喰川、神山、気延山、城山神社古墳群、そして剣山へとつながる古代の道がある。そこには、翡翠、勾玉、丹、真珠、古墳、神話、祭祀が重なり合い、

日本のはじまりを語る多くの手がかりが残されている。

本書は、翡翠原石を入口として、阿波古代史を読み解く一冊である石は声を出さない。しかし、石には時代が刻まれている。

川原に眠る翡翠は、阿波がただの地方ではなく、古代日本の精神文化と玉文化を支えた重要な地であったことを、静かに物語っている。

第1章 川原に眠る翡翠原石
鮎喰川や神山周辺に眠る翡翠原石は、阿波古代史を考える入口である。

第2章 翡翠とは何か
翡翠は古代から神聖な石とされ、王権・祭祀・祈りに深く関わってきた。

第3章 阿波翡翠の色と光
若竹色、白、淡緑、ラベンダー調など、阿波翡翠には多彩な表情がある。

第4章 鮎喰川と玉の道
鮎喰川流域は、古代の玉作り文化を考えるうえで重要な地である。

第5章 神山に残る石の記憶
神山には翡翠、丹、真珠伝承が重なり、神話的な資源地としての姿が見える。

第6章 勾玉という祈りの形
勾玉は装飾品ではなく、命・魂・再生を象徴する神聖な祭祀具であった。

第7章 阿波の勾玉文化
阿波には、古代玉作りに関わる一族や技術の存在を感じさせる痕跡がある。

第8章 気延山古墳群の翡翠勾玉
気延山古墳群から出土した翡翠勾玉は、阿波古代王権を考える重要資料である。

第9章 城山神社古墳群の翡翠勾玉
城山神社古墳群から出土した翡翠勾玉は、阿波の祭祀と王権の高さを物語る。

第10章 卑弥呼と翡翠の謎
卑弥呼、天照大神、阿波の古墳、翡翠勾玉を結ぶ視点から古代史を再検証する。

第11章 阿波にあった玉作りの技
原石を見分け、磨き、勾玉へ仕上げる技術は、古代阿波の高度な文化を示す。

第12章 奴奈川姫と翡翠伝承
翡翠の女神ともいえる奴奈川姫の伝承は、阿波と出雲・越の関係を考える鍵となる。

第13章 阿波出雲と翡翠の移動
阿波から出雲へ、さらに各地へ広がった玉文化の流れを想像する。

第14章 須佐奈緒と大国主の影
阿波出雲の視点から、須佐奈緒、大国主、国譲りの物語を翡翠文化と重ねる。

第15章 丹・真珠・翡翠の三つの証
『魏志倭人伝』に記された産物と阿波の地質・伝承を照らし合わせる。

第16章 邪馬台国阿波説と翡翠原石
翡翠原石の存在は、阿波が邪馬台国であった可能性を考える重要な材料となる。

第17章 剣山と阿波高天原
剣山周辺に残る神話伝承と翡翠文化は、阿波高天原説を深める視点を与える。

第18章 石はなぜ神になったのか
古代人は美しい石に神の力を見た。翡翠は神と人を結ぶ依代であった。

第19章 現代に蘇る阿波翡翠
現代の採取・研究・加工を通して、失われた阿波の玉文化が再び光を帯び始める。

第20章 翡翠原石が語る阿波古代史
一つの原石から、日本のはじまり、阿波の神話、王権、祭祀の記憶が浮かび上がる。

あとがき

翡翠原石は、ただ美しいだけの石ではない。

その奥には、川の流れ、山の記憶、古代人の祈り、そして阿波という土地が背負ってきた長い歴史が宿っている。

阿波の古代史は、文献だけでは語り尽くせない。石を見れば、地形が見える。

地形を見れば、古代の道が見える。古代の道をたどれば、そこに神話と王権の姿が浮かび上がる。

翡翠原石は、阿波が「始まりの国」であったことを語る静かな証人である。本書が、阿波の古代史を新しい角度から見つめ直す一冊となれば幸いである。

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