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『消された天皇 ― 王権の裏で何が起きたのか ―』(電子本)

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『消された天皇 ― 王権の裏で何が起きたのか ―』(電子本)

序文(立ち読み用)

日本の歴史には、語られた歴史と、語られなかった歴史がある。とりわけ天皇をめぐる出来事は、国家の中心に関わるゆえに、常に慎重に記され、ときに美しく整えられてきた。
しかし、その整えられた記録の奥には、表に出されなかった不穏な気配が潜んでいる。急な崩御、不可解な政変、皇位継承の混乱、そして史書のわずかな一文だけを残して消えていった存在。

そうした断片を拾い集めると、王権の裏側では、表向きの秩序とは異なる激しい力の衝突が続いていたことが見えてくる。

本書は、「消された天皇」という視点から、日本史の深層を読み直す試みである。ここでいう「消された」とは、単に命を奪われたことだけを意味しない。

政治の都合によって存在を小さくされ、記録を削られ、評価を変えられ、歴史の中で見えにくくされた天皇たちをも含んでいる。

そこには、王権を守るための論理と、王権を利用しようとする勢力の思惑が複雑に絡み合っていた。

天皇は神聖な存在として語られてきた一方で、現実には政治の渦の中心に置かれた存在でもあった。

ゆえに、その死も、その沈黙も、決して無垢ではない。本書は、古代から中世へと続く皇位の系譜をたどりながら、消された痕跡の中に、もう一つの日本史を見いだそうとするものである。

表の歴史の背後で、王権の裏では何が起きていたのか。その問いに向き合うことで、日本という国の成り立ちそのものが、少し違った姿を見せ始めるだろう。

第一章 歴史はなぜ天皇の死を隠すのか
史書における「崩御」という表現の裏に、何が伏せられてきたのかを探る。

第二章 天皇という存在の危うさ
国の中心に立つ者であるがゆえに背負う、政治的な危険を読み解く。

第三章 古代王権と血の継承争い
皇位継承が常に平穏ではなく、命を懸けた争いであったことを見る。

第四章 崇峻天皇と最初の明白な闇
暗殺の記録を持つ崇峻天皇の事件から、王権の現実を考える。

第五章 蘇我氏はなぜ王を動かせたのか
豪族が王権を左右した時代に、天皇の立場がどう揺らいだかを追う。

第六章 推古朝の安定の裏側
安定して見える治世の下で、何が抑え込まれていたのかを探る。

第七章 乙巳の変と消された系譜
政変の勝者によって、どのような歴史が作られていったのかを問う。

第八章 孝徳天皇と難波朝の孤独
権力の移動の中で、天皇が政治の道具となる姿を読む。

第九章 天智天皇の死が残したもの
近江朝の緊張の中で、その死が持った政治的意味を考察する。

第十章 壬申の乱と勝者の論理
王権をめぐる最大の内戦が、どれほど多くを消したかを見る。

第十一章 天武・持統朝の再編と沈黙
新しい秩序の確立の中で、不都合な記憶がどう処理されたかを探る。

第十二章 文武から元正へ続く静かな不安
表面上の安定の陰に、継承不安が残り続けた時代を読む。

第十三章 長屋王の変が示した王家の危機
皇族さえも消されうる現実が、何を意味したのかを考える。

第十四章 聖武天皇の時代と王権の動揺
疫病、反乱、遷都が続く中で、王権の不安定さを見つめる。

第十五章 藤原氏と天皇の身体
摂関家の台頭によって、天皇そのものが政治装置化していく過程を追う。

第十六章 平安宮の闇と見えない圧力
露骨な流血が減る一方で、別の形の排除が進んだ可能性を探る。

第十七章 安徳天皇と断たれた王統
戦乱の中で失われた幼帝の存在を、王権史の断絶として読む。

第十八章 後鳥羽院以後の王権の変質
武家政権の時代に、天皇の権威と実権がどう分離していったかを見る。

第十九章 記録から消された天皇たち
大きく語られない天皇たちに、なぜ光が当たらなかったのかを考察する。

第二十章 消された天皇が語るもう一つの日本史
歴史の表から消された存在を見直すことで、日本史の本質に迫る。

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