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「百済三書―『日本書紀』に残された失われた百済史料と、倭国・任那・朝鮮半島外交の謎―(電子本)

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「百済三書―『日本書紀』に残された失われた百済史料と、倭国・任那・朝鮮半島外交の謎―(電子本)

■序文(立ち読み用)

『日本書紀』には、いまは失われた三つの百済系史書の名が残されている。すなわち、『百済記』『百済新撰』『百済本記』である。

これらは総称して「百済三書」と呼ばれ、現存する独立した書物ではない。しかし、その断片は『日本書紀』の中に引用文として残り、古代日本と百済、新羅、高句麗、加羅・任那との関係を読み解く重要な手がかりとなっている。

百済三書は現在には伝わらない逸書であり、逸文は主に『日本書紀』に引用された形で知られる。なお『百済本記』は、後世の『三国史記』に含まれる「百済本紀」とは別物とされる。

本書は、この「百済三書」全26箇所を、一つひとつ読み解くための入門書である。『百済記』は神功皇后紀・応神天皇紀・雄略天皇紀に計5箇所、『百済新撰』は雄略天皇紀・武烈天皇紀に計3箇所、『百済本記』は継体天皇紀・欽明天皇紀に計18箇所引用されていると整理される。

百済三書を読むとは、単に朝鮮半島の古代史を読むことではない。そこには、倭国がどのように半島諸国と関わったのか、百済がなぜ倭国を重視したのか、任那・加羅をめぐる記憶がどのように語られたのか、そして『日本書紀』編纂者がどのような意図で外国史料を取り込んだのかという、大きな問題が横たわっている。

第1章 百済三書とは何か
失われた百済系史書『百済記』『百済新撰』『百済本記』の概要を整理する。

第2章 なぜ『日本書紀』に百済史料が残ったのか
日本最古級の正史に、外国史料が引用された意味を考える。

第3章 百済記を読む前に
『百済記』が扱う神功皇后紀・応神天皇紀・雄略天皇紀の時代背景を確認する。

第4章 百済記第一の引用
新羅・加羅・倭をめぐる軍事行動と、百済側の視点を読む。

第5章 百済記第二の引用
百済王と倭国の関係、王子派遣記事に秘められた外交の意味を考える。

第6章 百済記第三の引用
半島南部の地名と倭国の影響力をめぐる記述を読み解く。

第7章 百済記第四の引用
雄略天皇紀に現れる百済記事から、五世紀の倭と百済の関係を考察する。

第8章 百済記第五の引用
『百済記』が語る古代東アジア秩序と、倭国の位置づけを整理する。

第9章 百済新撰とは何か
『百済新撰』の性格と、『百済記』との違いを考える。

第10章 百済新撰第一の引用
百済王族・貴族層の伝承と、倭国との結びつきを読む。

第11章 百済新撰第二の引用
雄略紀に残された百済系氏族・王統記憶の意味を探る。

第12章 百済新撰第三の引用
武烈天皇紀の記事から、百済系史料が語る王権観を読み解く。

第13章 百済本記とは何か
百済三書の中で最多引用を持つ『百済本記』の重要性を整理する。

第14章 継体天皇紀の百済本記
継体紀に引用される百済本記から、六世紀初頭の倭・百済外交を見る。

第15章 磐井の乱と百済本記
継体紀末の記事に現れる倭国内政と半島情勢の接点を考える。

第16章 欽明天皇紀の百済本記
欽明紀に集中する百済本記引用と、任那問題の背景を読む。

第17章 任那をめぐる記憶
百済・新羅・加羅・倭の対立構造を、百済三書の視点から整理する。

第18章 高句麗・新羅・百済の力関係
百済三書が映し出す朝鮮三国時代の緊張と外交戦略を考える。

第19章 『日本書紀』編纂者は何を選んだのか
引用された史料と引用されなかった史料、その編集意図を探る。

第20章 百済三書全26箇所が語る古代日本の姿
三書全体を通して、倭国・百済・任那・東アジア世界の関係を総括する。

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