宇宙からやって来た阿波のブラックダイヤモンドの見つけ方 ― 川原に眠る黒い原石とカーボナドの謎 ―(電子本)
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宇宙からやって来た阿波のブラックダイヤモンドの見つけ方 ― 川原に眠る黒い原石とカーボナドの謎 ―(電子本)
はじめに(立ち読み用)
世界には「カーボナド」と呼ばれる、極めて不思議な天然ブラックダイヤモンドが存在する。
一般的なダイヤモンドが一つの結晶として成長するのに対し、カーボナドは非常に小さなダイヤモンド結晶が無数に集まった、多孔質で黒い塊である。
その姿は宝石店に並ぶ透明なダイヤモンドとは大きく異なり、川原に転がる黒い石や、焼け焦げた隕石のようにも見える。さらに謎なのは、その誕生場所である。
カーボナドからは、一般的な地球内部のダイヤモンドとは異なる特徴が報告されている。水素に富む宇宙空間で形成され、巨大な天体の破片として地球へ落下したのではないかという説さえ唱えられている。
では、宇宙から飛来した可能性を持つブラックダイヤモンドが、日本の阿波に眠っている可能性はないのだろうか。
その黒い石の中に、未知の炭素鉱物や、隕石由来の物質、さらにはブラックダイヤモンドが混じっている可能性を、最初から完全に否定することはできない。
ただし、黒い石を見つけただけでダイヤモンドと決めつけてはいけない。磁鉄鉱、クロム鉄鉱、黒曜石、石炭質岩、マンガン鉱、溶鉱炉のスラグなど、ブラックダイヤモンドに似た石は数多く存在する。
本書では、宇宙起源のブラックダイヤモンドという壮大な謎を追いながら、阿波の川原で黒い原石を安全に探し、観察し、記録し、専門機関による鑑別へつなげる方法を解説する。
第1章 ブラックダイヤモンドとは何か
宝石として流通する黒色ダイヤモンドと、天然の多結晶質ダイヤモンドであるカーボナドの違いを解説する。
第2章 謎の鉱物カーボナド
小さなダイヤモンド結晶が集まり、内部に細かな穴を持つカーボナド独特の構造を紹介する。
第3章 本当に宇宙から来たのか
超新星、宇宙塵、小惑星、隕石落下など、カーボナドの宇宙起源説と地球起源説を比較する。
第4章 なぜカーボナドは黒いのか
黒鉛や炭素質物質、微細な包有物、亀裂などが石を黒く見せる仕組みを説明する。
第5章 阿波の大地に眠るブラックダイヤモンド
阿波の複雑な地質と、山から川へ運ばれる多様な原石に注目し、探索の可能性を考察する。
第6章 ブラックダイヤモンドを探す場所
川の曲がり角、岩盤の割れ目、滝つぼの下流、深い淵、黒砂の集積地点などを紹介する。
第7章 重い石が集まる場所を読む
比重の大きな鉱物が水流によって選別され、特定の場所へ集まる仕組みを解説する。
第8章 黒砂を探索の目印にする
磁鉄鉱やイルメナイトを含む黒砂が集まる地点を手掛かりに、重鉱物を探す方法を説明する。
第9章 川原で見つかる黒い石
磁鉄鉱、クロム鉄鉱、マンガン鉱、蛇紋岩、チャートなど、阿波で候補となる黒色岩を紹介する。
第10章 隕石に似た石との違い
隕石、溶融スラグ、鉄鉱石、人工物を、表面の穴、重さ、磁性、内部構造から比較する。
第11章 表面の特徴を観察する
カーボナド候補に見られる、黒色から灰黒色の外観、不規則な形、細かな孔、粒状構造を確認する。
第12章 ルーペで内部を調べる
10倍ルーペや簡易顕微鏡を使い、金属光沢、ガラス質、結晶粒、気泡状の穴などを観察する。
第13章 磁石試験の正しい使い方
磁石に強く付く場合は鉄鉱物の可能性が高いが、磁性だけで隕石やダイヤモンドを判断できない理由を説明する。
第14章 重さと比重を測定する
電子はかりと水を使った簡易比重測定を行い、候補石を分類する方法を紹介する。
第15章 硬度試験の危険な落とし穴
ナイフやガラスへの傷だけではダイヤモンドを証明できないことと、原石を傷めない観察方法を解説する。
第16章 絶対に行ってはいけない試験
ハンマーによる破壊、火炎加熱、強酸処理、無理な研磨など、貴重な標本を失う行為を警告する。
第17章 採取地点を記録する
発見日、川の位置、周辺岩石、黒砂の有無、石の重量、磁性などを記録し、資料価値を高める。
第18章 専門鑑別へ進む方法
ラマン分光分析、X線回折、電子顕微鏡観察など、ダイヤモンド判定に必要な専門分析を解説する。
第19章 発見を急いで公表しない
未鑑別の石をブラックダイヤモンドや隕石と断定せず、試料の保存と再現性の確認を優先する。
第20章 阿波から始まる宇宙の物語
一個の黒い石が、阿波の地質史、古代の大地、宇宙の誕生を結ぶ可能性を描く。
