縄文人の最高神アラハバキ―消された古代神の記憶を追う―(電子本)
¥2,500
International shipping available
縄文人の最高神アラハバキ―消された古代神の記憶を追う―(電子本)
序文(立ち読み用)
日本の神々の歴史は、『古事記』や『日本書紀』に記された神話だけで語り尽くせるものではありません。それらの書物が成立するよりはるか以前から、人々は山、川、巨石、樹木、太陽、月、風、火などに神の存在を感じ、祈りを捧げてきました。
その古い祈りの奥に存在したのではないかと考えられている神が、アラハバキです。
アラハバキは、荒脛巾神、荒覇吐神、荒吐神など、地域によって異なる文字で表されます。しかし、その正体を明確に記した古代史料は残されていません。なぜ、この神は記録から消えたのでしょうか。
アラハバキは縄文人の最高神だったのか。大和王権に従わなかった人々の守護神だったのか。それとも、土地の境界を守り、災いを防ぐ古い地主神だったのでしょうか。
本書は、アラハバキを単なる謎の神としてではなく、日本列島に生きた名もなき人々の祈りを伝える存在として読み解いていきます。歴史的事実と伝承、民間信仰と大胆な仮説を分けながら、消された古代神の記憶をたどる旅を始めましょう。
第1章 謎の神アラハバキ
古代神話にほとんど登場しないアラハバキとは、どのような神なのでしょうか。その名前と信仰の輪郭を探ります。
第2章 縄文人は何を神としたのか
縄文人が山、森、川、岩、動物、太陽などに感じた神聖な力について考えます。
第3章 文字を持たなかった人々の祈り
文字による記録が残されなかった時代、人々の信仰が祭祀や遺物にどのように刻まれたのかを見つめます。
第4章 土偶に宿る生命の神
縄文時代の土偶に込められた生命、再生、豊穣への祈りと、アラハバキ信仰との共通点を考察します。
第5章 遮光器土偶とアラハバキ
東北地方から多く出土する遮光器土偶は、神の姿を表していたのでしょうか。アラハバキとの関係を探ります。
第6章 荒脛巾という不思議な名前
「アラ」「ハバキ」という音や、荒脛巾・荒覇吐などの表記から、神名に隠された意味を読み解きます。
第7章 足を守る神
アラハバキが足腰の健康や旅の安全を守る神として信仰されてきた理由を考えます。
第8章 境界に立つ神
村の入口、街道、国境、城の外側などに祀られた神は、外から来る災いを防ぐ存在でした。
第9章 塞の神とのつながり
道祖神や塞の神など、日本各地に残る境界信仰とアラハバキの共通性を探ります。
第10章 先住民の守護神だったのか
後から来た支配者ではなく、古くから土地に暮らしていた人々が祀った神だったという説を検討します。
第11章 蝦夷とアラハバキ
大和王権に抵抗した東北の人々と、アラハバキ信仰が結びつけられてきた背景を追います。
第12章 大和王権が恐れた神
中央の支配に従わない土地神が、なぜ記録から遠ざけられたと考えられるのかを読み解きます。
第13章 消された神々の歴史
国家神話が整えられる過程で、地方の神々が別の神に置き換えられた可能性について考えます。
第14章 客人神という姿
神社の主祭神ではなく、境内の隅や末社に祀られる客人神として残った理由を探ります。
第15章 製鉄民が祀った神
山を歩き、鉱石を採り、火を操った古代の製鉄集団とアラハバキを結ぶ説を検証します。
第16章 蛇神と大地の生命
脱皮を繰り返す蛇は、古代人にとって再生と生命の象徴でした。アラハバキの原像に蛇神があった可能性を考えます。
第17章 巨石と磐座の記憶
社殿が造られる以前、人々は巨石や山そのものを神として祀りました。古い自然信仰の姿を追います。
第18章 縄文の神は姿を変えた
アラハバキ信仰が、道祖神、足の神、旅の神、性の神などに姿を変えて残った可能性を探ります。
第19章 アラハバキは最高神だったのか
アラハバキを「縄文人の最高神」とする説は、どこまで可能性があり、どこからが想像なのでしょうか。
第20章 日本人の心に残る古代神
アラハバキの正体を追うことは、日本人が自然とともに生きてきた記憶を取り戻すことでもあります。
