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阿波に来た渡来人!海を越えた人々が残した技術・氏族・信仰の古代史(電子本)

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阿波に来た渡来人!海を越えた人々が残した技術・氏族・信仰の古代史(電子本)

本の説明文

古代の阿波には、朝鮮半島や中国大陸につながる文化と技術を持った人々が来ていた。奈良時代の史料には、阿波国の那賀郡周辺に「漢人」「秦人」と呼ばれる人々が暮らしていた記録が残る。

これは、阿波が閉ざされた地方ではなく、紀伊水道や瀬戸内海を通じて東アジアと結ばれていたことを示す重要な手掛かりである。

本書では、鉄器、須恵器、機織り、農業、治水、祭祀などの技術が、阿波の社会をどのように変えたのかを追う。史料で確認できる事実と、地名・神社・伝承から考えられる仮説を区別しながら、阿波に来た渡来人の姿に迫る一冊である。

序文(立ち読み用)

阿波は、四国の東端に位置し、紀伊水道を挟んで大和や紀伊と向き合っている。南には太平洋、北には瀬戸内海へ通じる海路があり、古代から人や物が行き交う場所であった。

古墳時代の日本列島では、朝鮮半島との交流によって、鉄の加工、須恵器の生産、かまどを使った調理などの新しい技術が伝えられた。

渡来人は技術だけを運んだのではなく、在地の人々と共に暮らし、新しい地域社会を築いていった。

阿波でも、古代文書に「漢人」や「秦人」の名が残され、古墳からは硬く焼かれた須恵器が出土している。

彼らはどこから来て、阿波で何を始めたのか。本書は、海を越えて阿波にたどり着いた人々と、その子孫が築いたもう一つの古代阿波物語である。

第1章 渡来人とは誰なのか
朝鮮半島や中国大陸から日本列島へ渡り、定住した人々の歴史を紹介する。

第2章 海に開かれていた古代阿波
紀伊水道、鳴門海峡、瀬戸内海、黒潮が結んだ古代の海上交通を考える。

第3章 渡来人はどの道を通ったのか
九州、吉備、讃岐、紀伊、大和を経て阿波へ入った可能性を探る。

第4章 吉野川と那賀川の集落
肥沃な平野と河川交通が、人々の定住を支えた理由を読み解く。

第5章 阿波に残る「漢人」の記録
正倉院文書などに記された「漢人根万呂」らの記録から、阿波の人口構成を考える。

第6章 那賀郡にいた秦人
木簡に登場する「秦人」の名を手掛かりに、渡来系氏族の生活と役割を探る。

第7章 須恵器が語る新しい技術
高温で硬く焼く須恵器の製法と、朝鮮半島から伝わった窯業文化を紹介する。

第8章 阿波の古墳と大陸文化
横穴式石室、副葬品、武器、馬具などに見られる文化交流を考察する。

第9章 西山古墳から出土した器
古墳時代後期の杯、壺、提瓶などから、当時の暮らしと技術を読み解く。

第10章 鉄を扱った人々
農具、武器、工具を生み出した鍛冶技術と、阿波の開拓との関係を追う。

第11章 機織りと秦氏の影
絹、麻、機織りを得意とした渡来系集団と、阿波の衣文化との接点を探る。

第12章 阿波忌部と渡来文化
麻や楮を扱った阿波忌部と、外来技術を持つ人々が協力した可能性を考える。

第13章 忌部山古墳群の謎
六世紀後半の古墳群と阿波忌部氏の関係を、考古資料と文献から検討する。

第14章 海部氏と海の道
阿波南部を拠点とした海人集団が、渡来人や大陸文化を運んだ可能性を追う。

第15章 農業と治水を変えた技術
水田、ため池、水路、農具など、新しい生産技術が阿波の暮らしを変えた過程を描く。

第16章 渡来人が伝えた信仰
天王信仰、八幡信仰、仏教など、海を越えて伝わった信仰の広がりを考える。

第17章 寺院建築と瓦の文化
古代寺院、瓦、仏像、文字文化を支えた技術者たちの足跡を紹介する。

第18章 阿波の地名に残る記憶
秦、漢、唐、大野、波羅などの地名や人名から、古代の移住者を探る。

第19章 在地の人々との融合
渡来人と阿波の人々が結婚し、技術や信仰を共有して新しい社会を築いた姿を描く。

第20章 渡来人がつくった古代阿波
阿波の産業、祭祀、海上交通、氏族社会の形成に渡来人が果たした役割をまとめる。

あとがき

阿波に来た渡来人は、突然現れて消えていった異質な人々ではない。彼らは在地の人々と共に田を耕し、鉄を打ち、器を焼き、布を織り、神を祭った。

そして世代を重ねるうちに阿波の人となり、その技術と記憶は地域文化の中に溶け込んでいった。

古代阿波の発展は、一つの氏族や一つの民族だけで生まれたものではない。海を越えて来た人々と、阿波に暮らしていた人々との出会いから始まったのである。

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