満洲国物語!五族協和の理想と帝国支配――消えた国家の十三年!(電子本)
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満洲国物語!五族協和の理想と帝国支配――消えた国家の十三年!(電子本)
書籍紹介文
わずか十三年で歴史から姿を消した満洲国。「五族協和」と「王道楽土」を掲げた国家の実像とは何だったのか。
関東軍、満鉄、溥儀、満蒙開拓団、ソ連軍侵攻、引き揚げ、残留孤児まで、理想と帝国支配が交差した激動の歴史をわかりやすく描く。
満洲国を美化も断罪もせず、そこで生きた人々の希望、矛盾、悲劇から戦争と国家の本質を考える一冊。
序文(立ち読み用)
かつて中国東北部に、「満洲国」と呼ばれる国家が存在した。1932年に建国され、清朝最後の皇帝・溥儀を元首に迎えながら、1945年、日本の敗戦とともに消滅した国である。
そこでは「五族協和」「王道楽土」という理想が掲げられ、鉄道や都市、産業が急速に整備された。
しかし、その背後には関東軍の強い影響、資源獲得、移民政策、現地住民への統制という現実があった。
満洲国とは理想国家だったのか、それとも日本が造った傀儡国家だったのか。
本書は、建国前夜から崩壊、引き揚げ、残留孤児までをたどり、光と影が交差した十三年間の物語を描く。
第1章 満洲とはどこだったのか
現在の中国東北部に当たる広大な土地。その地理、民族、資源、歴史をひもとき、なぜ日本とロシアが満洲を重視したのかを探る。
第2章 日露戦争と満洲への進出
日露戦争の勝利によって、日本は南満洲鉄道などの権益を獲得した。満洲進出が国家戦略へ変わっていく過程を追う。
第3章 南満洲鉄道という巨大組織
満鉄は鉄道会社であると同時に、炭鉱、都市開発、調査、教育にも関わる巨大組織だった。その知られざる役割を解説する。
第4章 張作霖爆殺事件
関東軍の一部は満洲支配を進めるため、軍閥の張作霖を爆殺した。この事件が後の満洲事変へつながった背景を考える。
第5章 柳条湖事件の真相
1931年、奉天郊外で南満洲鉄道の線路が爆破された。関東軍はこれを口実に軍事行動を拡大し、満洲全域を占領していった。
第6章 満洲国の誕生
1932年3月、満洲国の建国が宣言された。しかし、新国家の政治と軍事には関東軍が深く関与していた。
第7章 最後の皇帝・溥儀
清朝最後の皇帝であった溥儀は、満洲国の執政、後に皇帝となった。彼は復位の夢を抱きながら、次第に自由を失っていく。
第8章 五族協和という理想
満洲国は満洲族、漢族、蒙古族、日本人、朝鮮人の共存を掲げた。その理念と、民族間に存在した格差の現実を検証する。
第9章 王道楽土の宣伝
満洲国は東洋の理想国家として宣伝された。ポスター、映画、新聞、教育を通じて広められた国家像を読み解く。
第10章 首都・新京の建設
現在の長春に造られた首都・新京。広い道路と近代建築を備えた計画都市は、満洲国の権威を示す巨大な舞台だった。
第11章 満鉄と産業開発
鉄道、炭鉱、製鉄、電力、化学工業が急速に発展した一方、満洲の資源は日本の戦争経済にも組み込まれていった。
第12章 満蒙開拓団
日本政府は農村の人々を満洲へ送り出した。新天地への希望を抱いた開拓民を待っていた生活と、現地住民との土地問題を描く。
第13章 満洲で暮らした日本人
軍人や官僚だけでなく、商人、教師、医師、技術者、家族も満洲へ渡った。日常生活から国家の実像を見つめる。
第14章 現地住民の抵抗
関東軍と満洲国の支配に対し、各地で抗日運動が起こった。治安維持の名の下で行われた厳しい弾圧にも光を当てる。
第15章 ノモンハン事件
1939年、満洲国とモンゴルの国境地帯で日本軍とソ連軍が激突した。大きな損害を出した戦いは、日本の戦略を変えていく。
第16章 戦争を支えた満洲
日中戦争と太平洋戦争が拡大すると、満洲国は兵器、石炭、鉄鋼、食料を供給する重要拠点となった。
第17章 ソ連軍の侵攻
1945年8月、ソ連軍が満洲へ侵攻した。関東軍の防衛体制は崩れ、都市と開拓地は大混乱に陥った。
第18章 満洲国の崩壊
日本の敗戦によって、十三年間続いた満洲国は消滅した。溥儀は日本への脱出を試みたが、ソ連軍に拘束された。
第19章 引き揚げと残留孤児
多くの日本人が飢えや病気、暴力に直面した。帰国できなかった子どもたちは、中国残留孤児として数奇な運命を歩む。
第20章 満洲国が現代に問いかけるもの
開発と支配、理想と宣伝、国家と個人――満洲国の歴史は、戦争が人々の生活をどのように変えるのかを問い続けている。
終章 夢の国家が残した記憶
満洲国には、近代都市や鉄道、産業を築いた歴史がある。その一方で、日本の軍事的拡大によって生まれ、多くの現地住民や移民を国家政策に巻き込んだ歴史も否定できない。
